Ca++ブロッカー
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一般名:ニフェジピン・ニカルジピン・ヴェラパミル・ディルティアゼム・ 商品名:アダラート・ペルジピン・ワソラン・ヘルベッサー
カルシウムチャンネルブロッカーは.下の三種類の系統に分類される.このうち,第1群のうちのニカルジピンと,第3群のディルティアゼムは日本で開発された薬物である.
ニフェジピン:商品名アダラート 作用: 降圧,血管拡張,冠状動脈拡張にも 用途: 高血圧,狭心症 半減期:3〜6時間 用法:経口 注意: 起立性低血圧,βブロッカーとの相互作用
ニカルジピン:日本で開発された薬物である.商品名ペルジピン.作用,用途,半減期はニフェジピンと類似だが, 作用: 脳血流増加作用をもつことが特徴. 用途: 脳血流増加と静脈注射可能なために,麻酔医は好む.ただし,脳神経外科の医師はそれ故に“脳圧が上がる”として逆に嫌う人もいる. 用法: 静脈注射が可能なのが特徴. 半減期: 1時間と短い.しかも,静脈注射で使うので使いやすい.
ヴェラパミル:商品名ワソラン 作用: AV,SAノードの活動電位を下げる. AVノードの不応期延長. 用途: 上室性頻脈と期外収縮 Ca++ブロッカーのうちで,この薬物だけが不整脈への作用が明確である. 半減期:6時間 用法:5〜10mg. 注意: 局所麻酔薬,βブロッカーとの相互作用 WPWなどの発作誘発の危険 研究室ではダントロレンとの相互作用も. 吸入麻酔薬の血圧低下を強める 筋弛緩薬の作用時間延長 構造はカテコールアミンに似る.
ディルティアゼム:商品名ヘルベッサー 作用: 降圧,血管拡張,冠状動脈拡張にも.刺激伝導系への作用はヴェラパミルよりよわい. 用途:高血圧,狭心症 半減期:4〜6時間(経口投与) 用法: 経口,1タブレット10mg なお,カプセルを針でやぶって薬液を粘膜に塗布する. 注意: 起立性低血圧,βブロッカーとの相互作用 構造はベンゾディアゼピンに似る.
文献:Carson IW et al. Br J Anaesth 51:659. 1979.
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諏訪邦夫
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