電子版麻酔学教科書

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  エフェドリン #9
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 18時08分
エフェドリン

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麻酔で使う薬剤のうちで,麻酔薬と筋弛緩薬を別にすればもっとも使用頻度の高い薬品であろう.


〔投与法〕
原則は静注.稀に筋注・皮下注.時に吸入も.内服でも有効.
静注では一回に2mg乃至8mg程度.1アンプル(40mg)を10倍に希釈して4mg/mlにしておくと,使用に便利.
筋注では,一回に20mgだか,あまり施行しない.
吸入では,40mgを20mlの生理食塩水に溶解して投与する.

〔作用・効果〕
交感神経刺激作用及びα−,β−受容体刺激作用.
少量で静脈を収縮して末梢静脈圧を上昇させ,心臓への静脈還流を増加させて,心拍出量をまし,血圧をあげる.
中等量では,心臓自体への正の変時作用及び変力作用が加ってなお一層心拍出量をまし,血圧を上昇させる.気管支拡張の作用があり,喘息発作の治療にも有効である.

〔吸収・代謝・排泄〕
作用発現はどの経路でも速かで,通常1分以内である.作用消失の基本は作用部位から他組織への再分布である.投与量の50%程度がそのままの形で腎から排泄される.作用時間は静注で15分.

蛇足:
箱に書いてある「ナガイ」の名は発見者長井長義氏に因んだもので,1890年頃に漢方薬を研究していて麻黄の成分から発見したという.


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諏訪邦夫

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