電子版麻酔学教科書

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  筋弛緩薬と小児麻酔 #15
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 13時52分
筋弛緩薬と小児麻酔

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 筋弛緩薬についても,特に小児に特に適したものはない.

 非脱分極性筋弛緩剤:1997年の時点では,ヴェクロニウムが中心で,他に人によってはクラ−レとパンクロニウムとを使用するかも知れない.

 サクシニルコリンの静注では,特に短時間内に反復した場合は強い徐脈がくることがある.稀には心停止の起ることもある.挿管前にアトロピン投与の望ましい理由の一つである.

 サクシニルコリンの使用では,悪性高熱や筋肉融解によるカリウム放出の危険が防止できない.

 この合併症が小児では相対的に重大なので,専門家は使用の頻度が低下している.1993年春の 日本麻酔薬理学会で講演した Dr. Gouzouzian 氏のいうところでは“サクシニルコリンは万一の用心として準備するが,使用は1年に1回位”ということだった.挿管にはもっぱらヴェクロニウムを使用しているという.

 ここで万一,とは高度の喉頭けいれんによる換気障害をさしている.


投与量:
ベクロニウム
0.15mgで挿管
クラ−レの投与量
0.4(ハロセンなどを併用の場合)
0.7(笑気−クラ−レ法の場合)mg/kg
パンクロニウム
0.08mg/kg
パンクロニウムは笑気のみ併用(笑気−クラーレ法の変法)は勧められない.
サクシニルコリン
静注なら1mg/kg
筋注なら2mg/kgである.
キーワード:ベクロニウム,サクシニルコリン,クラーレ,パンクロニウム,アトロピン



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諏訪邦夫

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 筋弛緩薬と小児麻酔 - 諏訪邦夫 [#15] 2001/02/10 13:52



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