ケタミンとは
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ケタミン ketamine 1204
作用のみじかいフェンサイクリジン系薬物の代表.
使用
静注で使用することが多いが,筋注・皮下注でも数分で作用を発揮する. 小児の導入に頻用される. 投与量は目的によるが,静注なら2mg/kg,筋注なら4〜6mg/kg, 就眠は静注でも3分程度とやや遅い. 麻酔の「導入」にも維持にも用いる. 薬理と臨床薬理
意識がなくなっても,バルビツレートやベンゾディアゼピンのようにグターッとならない. 体を動かしたり,目を明いて眼球が動いていることも多い. 知らないと,まだ覚醒状態かと間違えることがある. 頻脈,血圧上昇がみられる.交感神経を刺激するのは本体の一部である. 換気は抑制しない. 心機能障害や循環血液量低下のある患者でも安全性は高い. 成人では不快な夢を見ることが多い.単独使用は勧められない. 小児では,快い夢を見ることが多いようで,単独で小手術の麻酔を行うことも可能. 限定された領域には極めて優秀,特に筋注して痛くない点. 蛇足:幻覚誘発薬として有名なLSDと同系の薬物だそうな.
キーワード:フェンサイクリジン,phencyclidine,不快な夢,麻酔導入薬
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諏訪邦夫
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