電子版麻酔学教科書

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  分圧と張力 #7
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月11日 22時19分
分圧と張力

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「血液の酸素分圧」というような意味の「分圧:partical pressure」の代りに「張力:tension」を使用することがある.英語でも日本語でもそうである.ありがたいことに,最近は急速に減少して見掛けることが少なくなったので,気にする必要がないかも知れない.


[習慣]
双方使用する.以前は,「張力」をよくつかったが,最近は分圧の使用が圧倒的に多くなった.

[規定]
学会用語などの規定では分圧であるが,張力の使用を許している場合も多い.

[理屈]
分圧と張力は,そもそも物理学上の定義がまったくことなっている.

分圧=力/面積(単位面積あたりの力)
張力=力/長さ(単位長 あたりの力)
である.
分圧は「圧」であるから,「酸素分圧」などを「張力」と呼ぶのはあやまりである.これに対して,
「表面張力」などは,単位長あたりの力で表現するから“張力”で正しい.
そういう理論的な問題も,張力を分圧の意味に使わなくなった理由の一つであろう.


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諏訪邦夫

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 分圧と張力 - 諏訪邦夫 [#7] 2001/02/11 22:19



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