新しい筋弛緩薬
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1994年〜1997年で,筋弛緩薬の地図が大幅に塗り換わった.
消えた筋弛緩薬(括弧内は,商品名の一部)
ガラミン(フラクセディル) アルクロニウム(ディアルフェリン) デカメソニウム(シンキュリン) ジメチルトボクラリン(メテュビン:外国では使用中) ほとんど消えそうな筋弛緩薬
クラーレ(d-tubocurarine ).安すぎてつかえない?? 消える可能性の大きい筋弛緩薬
サクシニルコリン:医療訴訟の多いアメリカ合衆国で,使用が大幅に減っている.合併症発生時に弁解できないからという. K+遊離の問題 悪性高熱の問題 筋肉痛 徐脈と心停止とくに小児において 日本でも急速に減少に向かっている.商品の一部(レラキシン:杏林製薬)が製造中止になるらしい(1997年秋の噂さ). パンクロニウム:消えるべき明確な理由はないが,新しい商品に負ける.安すぎてつかえない?? 新登場の筋弛緩薬
ベクロニウム:現在の中心的筋弛緩薬.別項参照 治験中ないし外国では使われている薬物
ロクロニウム:新しい非脱分極神経筋遮断薬で,ステロイド核をもつモノ4級アミンである.作用開始が1〜2分で,ベクロニウムより大幅に速い. ピペクロニウム:日本で治験中 ミヴァクリウム:コリンエステラ−ゼで分解される.つまり,サクシニルコリンと同じ代謝を受ける.したがって作用時間は短い.しかし,非脱分極型の筋弛緩薬である. アトラキュリアム:外国では大幅に使用.日本に導入される可能性は疑問.
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諏訪邦夫
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