電子版麻酔学教科書

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  新しい筋弛緩薬 #6
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 15時45分
新しい筋弛緩薬

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1994年〜1997年で,筋弛緩薬の地図が大幅に塗り換わった.

消えた筋弛緩薬(括弧内は,商品名の一部)

ガラミン(フラクセディル)
アルクロニウム(ディアルフェリン)
デカメソニウム(シンキュリン)
ジメチルトボクラリン(メテュビン:外国では使用中)
ほとんど消えそうな筋弛緩薬

クラーレ(d-tubocurarine ).安すぎてつかえない??
消える可能性の大きい筋弛緩薬

サクシニルコリン:医療訴訟の多いアメリカ合衆国で,使用が大幅に減っている.合併症発生時に弁解できないからという.
K+遊離の問題
悪性高熱の問題
筋肉痛
徐脈と心停止とくに小児において
日本でも急速に減少に向かっている.商品の一部(レラキシン:杏林製薬)が製造中止になるらしい(1997年秋の噂さ).
パンクロニウム:消えるべき明確な理由はないが,新しい商品に負ける.安すぎてつかえない??
新登場の筋弛緩薬

ベクロニウム:現在の中心的筋弛緩薬.別項参照
治験中ないし外国では使われている薬物

ロクロニウム:新しい非脱分極神経筋遮断薬で,ステロイド核をもつモノ4級アミンである.作用開始が1〜2分で,ベクロニウムより大幅に速い.
ピペクロニウム:日本で治験中
ミヴァクリウム:コリンエステラ−ゼで分解される.つまり,サクシニルコリンと同じ代謝を受ける.したがって作用時間は短い.しかし,非脱分極型の筋弛緩薬である.
アトラキュリアム:外国では大幅に使用.日本に導入される可能性は疑問.


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諏訪邦夫

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 新しい筋弛緩薬 - 諏訪邦夫 [#6] 2001/02/10 15:45



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