小児麻酔
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一般の麻酔医が小児の麻酔を担当するチャンスは,残念ながらしだいに減少に向かっている.理由は,
小児人口がすこしずつ減少にむかっている. 小児病院が一県一箇所以上に充実してきて,一般病院での小児手術が減っている. 小児麻酔の内容も次第に高度化して,普通の麻酔医では担当できない部分もふえてきている. そうはいっても,一度大都会を離れれば小児の手術が一般外科医によって行われているのも事実であり,当然麻酔も一般麻酔医が担当せねばならない. 一般病院・総合病院での小児麻酔の修練は,時代の要請に必ずしもマッチしていない.麻酔医も修練期間の一部を小児病院で過すのが妥当だろう. 現実の問題として一番困るのは,現在はほとんどの場合に送りだす側が給料を負担するメカニズムになっている点で,これでは大幅な改善は望めない.受け入れ側が,サービスを利用するシステムを確立して,給与を支払わなければ,トレーニングはありえない.
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諏訪邦夫
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