電子版麻酔学教科書

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  局所麻酔薬中毒 #39
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月09日 22時54分
局所麻酔薬中毒

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状況:
血液濃度が急速に上昇して発生する.
主な作用点は,脳と心臓・血管である.各種の反射の感受体(たとえば頚動脈小体)などにも作用するのかも知れない.

反応:
けいれん

呼吸減弱から停止
循環不全:血圧低下,不整脈,房室ブロック,PVC,心停止(徐脈から心停止にいたるものと,心室細動の両方)

治療:
呼吸と循環の維持
通常の蘇生法
輸液・昇圧薬・不整脈治療.
酸素による人工呼吸


鎮静薬(ディアゼパム10〜30mg静注)
筋弛緩薬(サクシニルコリン100mg静注):けいれんが特にはげしい場合.

 サクシニルコリンはKイオンを遊離するから好ましくないという意見もある.

 特に,けいれん自体で血清Kイオンが増加しているので,そこにサクシニルコリンを加えるのは状況をわるくする可能性も否定はできない.通常の患者では,血液透析は不要.

予防:
 ふだんから,大量使用を慎んでおくこと(硬膜外麻酔時に,筋弛緩を筋弛緩薬に頼るようになって,中毒反応は大幅に減じた).
 量に注意:局所麻酔薬は使用量と極量の差が少ない.
 何でもつねに少しずつ注入する.
何しろ,リドカインの「最大投与量(極量)」はたった200mgである.


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諏訪邦夫

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 局所麻酔薬中毒 - 諏訪邦夫 [#39] 2001/02/09 22:54



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