硬膜外傍正中アプローチのポイント
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Paramedian approach
刺入点: 正中アプローチで刺入する位置から,12〜15mm外側.これを尾側によせないように注意.
方向: このまままっすぐ進むと椎体にあたらない可能性もある.やや尾側(体軸に対して下方,caudal 方向)に向けて,椎体にあてる.椎体までの距離を測る. 次に方向を変える.少し内側に少し頭側に向ける.方向を変えるにはある程度針を引き抜く必要がある. これで椎体をすれすれではずしたら針を進める.
大切なこと: 椎体をすれすれにはずすこと.傍正中アプローチの際の針の進み方は,胸のレベルでの正中アプローチと比べると,頭側に向かう角度がはるかに少ない.オーバーにいえば“真横に進める”感じ. 棘突起はかなり斜めであるが,それをイメージして進めると成功のチャンスが減る.もっと真横に進める感じ.
蛇足: 黄靭帯をCT断面で上からみると富士山の形をしている.正中アプローチの時は,富士山の頂上から刺していくので,黄靭帯内を進む距離が長い.傍正中アプローチでは,富士山の裾野をちょっと刺すので黄靭帯内を進む距離が短い.傍正中アプローチを難しくする要素の一つ. 最近のティスポの硬膜外用の針には目盛りが入っている.深さと進み具合が分かりやすくて大変に好都合である.
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諏訪邦夫
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