電子版麻酔学教科書

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  デスフルレン #27
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月09日 21時01分
デスフルレン

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新しい吸入麻酔薬の一つ
日本では使われないので詳しい説明は省くが,2,3興味深い点のみ説明する.

意外に速くない点:
デスフルレンは,物理特性と力価からいうの高速吸入麻酔薬である.ところが,実際上の速度は意外に遅いことが判明した. 理由は,気道刺激性を含めて身体への刺激が比較的強い薬物であり,その刺激に対する反応(興奮:高血圧や頻脈)が導入の速度と平行する(速度が速いと興奮が強い).したがって,ゆっくり導入せざるを得ず,結局のところ遅い薬物ということになる.
特殊な気化器が必要な点:
デスフルレンは力価が低いので,所要量が多い.その故に,通常のような室温から熱を得るタイプの気化器では熱供給が間に合わない.現在使用されている気化器は,電気的に熱を加えて気化させている.こうした,特殊なメカニズムの気化器を必要とするのも欠点である.
一酸化炭素発生:
多くの吸入麻酔薬は,ソーダライム・バラライムの存在下で一酸化炭素を産生する.特に,そのソーダライムとバラライムが乾燥状態では発生量が増加して,臨床的に無視できないレベルに達することのあるのが知られている.
デスフルレンは,他の条件が同じ場合,この一酸化炭素発生量が特に多い.
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諏訪邦夫

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