電子版麻酔学教科書

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  笑気アイソフルレン麻酔のやり方 #21
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月09日 20時38分
笑気アイソフルレン麻酔のやり方

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やり方:
笑気は67%で連続的に不変.
アイソフルレンは2.5%で開始して,次第に低下させる.

理由:
 笑気は吸入濃度と脳組織の分圧とが短時間の間に 一致してしまうが,アイソフルレンでは脳の分圧が吸入気の分圧に追い付くのは何時間もかかる.アイソフルレンはハロセンよりは速いが笑気よりはずっと遅い.
 そこでハロセンの場合と同様に,脳の分圧がほぼ一定になるように吸入濃度をかえる.

何故アイソフルレン単独で麻酔せずに笑気を加えるのか?
 アイソフルレン単独では,呼吸循環系への作用が強すぎて具合がわるい.ただし,ハロセン単独がほぼ不可能に近いのに対して,アイソフルレン単独はそれよりは実行しやすい.

笑気単独では麻酔力が不足する.
笑気は覚醒も速いので,笑気から覚醒する分だけは術後の覚醒もよい.
笑気は67%が臨床的には限界.
これ以上の濃度を投与するとハイポキシアの危険あり.

アイソフルレンの濃度は急速に変化させず,手術の刺激と患者の反応を見ながら少しずつ濃度を変えるのがなめらかな麻酔を得るための秘訣.
蛇足:この項目は,“笑気ハロセン麻酔のやり方”に一寸手を加えただけ.



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諏訪邦夫

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 笑気アイソフルレン麻酔のやり方 - 諏訪邦夫 [#21] 2001/02/09 20:38



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