電子版麻酔学教科書

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  心疾患患者の非心臓手術の麻酔 #9
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月03日 12時11分
心疾患患者の非心臓手術の麻酔

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評価は別項参照 循環不全の評価と麻酔

麻酔薬と麻酔法の選択

安易に「サイオペンタル導入,吸入麻酔薬で維持」を選ばないこと.
導入薬として有用なのは
吸入麻酔:反応が不良な場合の覚醒が容易という利点
サイオペンタルは通常量は使用しない.減量か不使用
ベンゾディアゼピン(ディアゼパムかミダゾラム)
フェンタニル
こういうものを複合する
ケタミンが使われた時代もあるが,頻脈が起るので嫌われる.
維持薬
上記の各種薬物の複合
笑気の作用は健康人より抑制が強い.使用は注意が必要
脊椎麻酔:下肢あるいは会陰部の限局した手術には有用
硬膜外麻酔:大手術でも浅い全身麻酔に組み合わせて使用の可能性を考慮
術後に抜管して通常のケアに戻るか,ICUによる呼吸管理が可能かによっても麻酔法の選択がかわる
モニタ−

EKGと自動血圧計は必須.後者は直接動脈圧測定があれば不要
直接動脈圧測定:施行を考慮する条件は
患者の重篤度,手術の侵襲度・時間にも依存する
術中に動脈血採血が必要なら使用
中心静脈カテーテル:CVPによる循環動態チェック
薬物投与の経路としても
肺動脈カテーテル:左心と心拍出量のモニタ−が必要なら使用
輸液

大切
心疾患患者は,電解質の摂取と排泄に制限が加わっており,むやみに体液と電解質を負荷してはならない.


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諏訪邦夫

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