患者さんへの言葉つかいに気をつけましょう
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前日の術前回診では普通に話をしていても,いざ手術当日になると患者に対して不自然な言葉つかいをする例をよくみるようです.麻酔直前,麻酔直後の言葉つかいにも気をつけましょう.
馬鹿丁寧な言葉はつかわない:「丁寧」なのはけっこうですが,「馬鹿丁寧」にならないように.
幼児言葉をつかわないこと:幼児を相手にするような言葉つかいは「丁寧」なのとは異なります.失礼と感ずる患者もいます.
例1:
「ちょっとお背中を消毒します」:“お背中”はおかしい. 「ちょっとチクンとします」:“チクン”は幼児語 「少し冷たいですよ〜」:“よ〜”がいけない 「おめめを開けて下さい」 「お口を開けて下さい」 例2:乱暴な言葉,明らかに目下に向かってつかうような言葉もいけない.
「大丈夫かな」:もちろん“大丈夫ですか”といえばいい. 「痛くないかな」:“痛くないですか”ならおかしくない. “おじいちゃん”“おばあちゃん”の呼びかけ 高齢者に“おじいちゃん”“おばあちゃん”とは呼びかけないこと.客観的には高齢者であっても,患者は自分では高齢とは思っていない場合も多い.30歳の人からみると60歳は“おじいさん”でしょうが,当人は現役のつもりなんですよ. “おじいちゃん”“おばあちゃん”とは孫にしか呼ばせないという年寄りも多数いるものです.
“おじいさん”には“おじさん”,“おばさん”には“お嬢さん”とよびかけるのだ!極端過ぎるかな?
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諏訪邦夫
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