電子版麻酔学教科書

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  全身麻酔の導入1. #23
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月03日 12時53分
全身麻酔の導入1.

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気管内挿管時の注意 ,挿管直前になすべきこと

全身麻酔の導入1.(ドウニュウinduction 導入開始の前にもう一度状況をチェックする.)


吸引の準備はできたか.
酸素は流れているか.
喉頭鏡・スプレー・気管内チュ−ブの準備は?
不要な物は出来るだけ片付けて開始すること.
酸素を必ず投与しておくこと.
心音をききながら,EKGをみながら開始すること.
サイオペンタルは時間を掛けてゆっくり分注する.総量はやや多くなるがその方が安全
SCCは単独なら 1mg/kg で十分.プレクラリゼーションしてあれば,2 mg/kg
ヴェクロニウム は,0.1mg/kgではややこころもとない.0.15mg/kg位.こちらは3分待つこと.
全身麻酔の導入法−−標準的なやり方

導入開始の前にもう一度状況をチェックする.
吸引の準備・酸素の流れなど
喉頭鏡・スプレー・気管内チュ−ブの準備は?
不要な物は出来るだけ片付ける
酸素を必ず投与
心音をききながら,EKGをみながら開始
サイオペンタルを与える.量の目安は4〜5mg/kg.つまり総量で250mg前後.
 一度に全量を与えるのでなく分注する.成人で,20秒毎に75mgずつ.瞬目反射が消えるまで.
一度に全量を与える方法に比較すると総量はやや多くなる.この方が安全度が高い.
SCCは 1mg/kg で十分
全身麻酔の導入−−1980年代末からの新しい方法
 最近,導入のやり方が変って行く機運にある.導入麻酔薬がミダゾラムに,筋弛緩薬がヴェクロニウムに変ろうとしている.

サイオペンタルの代りにミダゾラムを使用する.量は0.1〜0.2mg/kg(成人で5〜10mg)
筋弛緩薬はヴェクロニウムを投与する.量は0.1〜0.3mg/kg(成人で4〜15mg).
 この方法の利点は多い.

血圧低下も呼吸の変化もサイオペンタルより少ない.
サクシニルコリンの徐脈や筋肉痛などが防げる.
なにごともゆっくり慎重にやりやすい.
 欠点は,

やや時間のかかること(これは「ゆっくり施行できる」という利点の裏返し).
ごく短い手術では,ミダゾラムやヴェクロニウムの効果が残る可能性がある.


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諏訪邦夫

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