全身麻酔の導入1.
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気管内挿管時の注意 ,挿管直前になすべきこと
全身麻酔の導入1.(ドウニュウinduction 導入開始の前にもう一度状況をチェックする.)
吸引の準備はできたか. 酸素は流れているか. 喉頭鏡・スプレー・気管内チュ−ブの準備は? 不要な物は出来るだけ片付けて開始すること. 酸素を必ず投与しておくこと. 心音をききながら,EKGをみながら開始すること. サイオペンタルは時間を掛けてゆっくり分注する.総量はやや多くなるがその方が安全 SCCは単独なら 1mg/kg で十分.プレクラリゼーションしてあれば,2 mg/kg ヴェクロニウム は,0.1mg/kgではややこころもとない.0.15mg/kg位.こちらは3分待つこと. 全身麻酔の導入法−−標準的なやり方
導入開始の前にもう一度状況をチェックする. 吸引の準備・酸素の流れなど 喉頭鏡・スプレー・気管内チュ−ブの準備は? 不要な物は出来るだけ片付ける 酸素を必ず投与 心音をききながら,EKGをみながら開始 サイオペンタルを与える.量の目安は4〜5mg/kg.つまり総量で250mg前後. 一度に全量を与えるのでなく分注する.成人で,20秒毎に75mgずつ.瞬目反射が消えるまで. 一度に全量を与える方法に比較すると総量はやや多くなる.この方が安全度が高い. SCCは 1mg/kg で十分 全身麻酔の導入−−1980年代末からの新しい方法 最近,導入のやり方が変って行く機運にある.導入麻酔薬がミダゾラムに,筋弛緩薬がヴェクロニウムに変ろうとしている.
サイオペンタルの代りにミダゾラムを使用する.量は0.1〜0.2mg/kg(成人で5〜10mg) 筋弛緩薬はヴェクロニウムを投与する.量は0.1〜0.3mg/kg(成人で4〜15mg). この方法の利点は多い.
血圧低下も呼吸の変化もサイオペンタルより少ない. サクシニルコリンの徐脈や筋肉痛などが防げる. なにごともゆっくり慎重にやりやすい. 欠点は,
やや時間のかかること(これは「ゆっくり施行できる」という利点の裏返し). ごく短い手術では,ミダゾラムやヴェクロニウムの効果が残る可能性がある.
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諏訪邦夫
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