電子版麻酔学教科書

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  気管内挿管から手術開始までの低血圧を避けるコツ #18
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月03日 12時49分
気管内挿管から手術開始までの低血圧を避けるコツ

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 気管内挿管が無事終了し,気管内チュ−ブを固定し,笑気とアイソフルレンを与えて人工呼吸を開始して,さてすぐ手術が開始すればよいが,なにかの都合で手術の開始が遅れると血圧が低下して苦労する.

低血圧の原因
 アイソフルレン(またはハロセン)+人工呼吸+刺激のない状態というのが,基本的に低血圧を招きやすい.


対応:
輸液を速くする.
エフェドリンなどの昇圧薬
頭低位.
などもそれなりに有効だが,手術が開始してから影響の少ないのは次の二つの方法.

人工呼吸にせずに自発呼吸でゆっくり麻酔を深くしていく.
理由:
気道内陽圧がかからないし,換気量が少ないために導入がゆっくりで血圧が下がりにくい.
逆にすぐ筋弛緩薬を与えてしまい,アイソフルレン(またはハロセン)の量は少量にしておく.手術が始る直前か,開始されてから濃度を上げる.
 もちろん,大多数の患者では遠慮なくエフェドリンを投与してよい.

キーワード:気管内挿管,人工呼吸,低血圧



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諏訪邦夫

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