麻酔終了時に大声で無理に覚醒させてはいけません
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麻酔終了時にでかい声で無理に覚醒させてはいけない．
覚醒はできるだけ静かに，興奮させない方が生理的にもこのましいし，回復室であばれたりする危険も少ない．
しずかな覚醒
一般に，手術終了で麻酔からの覚醒時に強い刺激を与えると，滑らかな覚醒が妨害される．こうした刺激は避けるようにする．
例と対策：
気管内チュ−ブをおいたまま体位を換えるのは不可．頚の位置を換えてつよいバッキングを起こすことは特に不可．
対策：
先に抜管してから体位を変換する．あるいは，深い麻酔の状態で体位を換えてから麻酔を覚醒させる．
リバースしてバッキングさせてから，吸引したり抜管したりするのは不可．
対策：
麻酔の深いうちに吸引し，呼吸がかすかにでた状況で抜管してしまい，それからゆっくりリバースする．
麻酔終了後に，“終わりましたよ”“目をあけて下さい”“深呼吸して”などと呼びかけたり命じたりする必要はない．意識が戻っていることを確認したければ，静かに一寸呼び掛けるだけにする．
対策：
しずかにしておく．“終わりましたよ”“目をあけて下さい”などは，脳神経外科手術の一部など，術後の意識の確認が必要な場合に限定する．
普通の手術と麻酔では，そんなことを患者に命ずる意味はない．
蛇足：
子供を育てたことのある人なら，赤ちゃんを無理に目覚めさせると機嫌がわるいのは承知しているでしょう？ 大人でも当てはまるけれど．
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諏訪邦夫
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麻酔終了時に大声で無理に覚醒させてはいけません #10
