麻酔器の基本構造
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麻酔器”は,麻酔に使用する装置.基本的には機械的な装置で,電気的・電子的部分はごく少ない.
流量計 酸素と笑気の流量計をそなえて,混合気をつくる. まれには,空気その他の流量計も備える. 気化器 上記混合気を通して,揮発性吸入麻酔薬を気化させて,希望の濃度のガスを得る. 呼吸回路 流量計と気化器で作った吸入ガスを,実際に患者に接続して呼吸させる. 呼出した二酸化炭素を化学的に除去する. 人工呼吸器 これは麻酔器の必須コンポーネントではないが,現在では併用されることが多い.実質的にはすべての麻酔器に組み込まれている. 蛇足:麻酔器はその気になれば電子化する技術は整っている.しかし,現実には機械式のものが使われ続けている.理由としては,
供給側が現状の方が少数ずつつくりやすい点, 世界中での必要数が年間5000台程度という点, 使用者側の保守性:慣れたものは捨てない. 万一の条件での信頼度(地震・大火) などがネックで,とりあえず望みは少ない. スウェーデンの会社が電子化に積極的なようである.
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諏訪邦夫
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