電子版麻酔学教科書

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  点滴のさいに何故手を握らせる? #6
投稿者  諏訪邦夫
URL  
投稿日時  2001年02月03日 08時48分
点滴のさいに何故手を握らせる?

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点滴 IV

点滴や静注の際に,患者の手を握らせるのは何故か,考えたことがあるだろうか.
 当たり前なことだけれど,答は手を握ることによって手の内部の筋肉の組織圧を高め,筋肉に存在する血液を手の表面に追い出して静脈を太くすることを目的としている.

したがって順序は

まず駆血帯をかけて静脈の血流をとめ,
次に手を握らせて静脈をさらに太くする
というのが正しい.
 これを逆に,“手を握ってから駆血帯をかけ”たら効果が少ないことになる.小さなことであるが,ときに逆に行っているのを見かける.注意してください.

同じ理屈で,足に点滴を入れるときはまず足を手術台よりも下げて静脈への血液の欝滞を起こさせておいてから駆血帯をかけ,足を手術台に戻すと血管が太くなる.

 逆にカテ−テルを抜いたときは,その部位を高くすれば出血が止まりやすい.

キーワード:点滴,静脈注射,静注,静脈カテ−テルの挿入



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諏訪邦夫

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