電子版麻酔学教科書

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  ヘクトパスカル:hPa #8
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月11日 22時20分
ヘクトパスカル:hPa

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1992年12月1日から,日本では気圧の単位をヘクトパスカルと呼ぶことになりました.“hPa”と書きます.
1hPaは,数値的には1mbar(ミリバール)と完全に一致します.大気圧の正常値は1013mbarでしたが,現在では1013hPaです.
また,1mmHgは1hPaの1.333倍です.

たとえば,


血圧 100mmHg → 133 hPa
Paco2 40mmHg → 53 hPa

です.
hPaは,基本的には同じSI単位系の数値で,“キロパスカル:kPa”の1/10ですが,難物kPaに比較するとずっと採用しやすいと思います.私は好きです.理由は沢山あります.

mbarと数値が一致しているのが最大の利点です.mbarならある程度馴染んでいますものね.
mmHgと同じ位の桁の数なので,有効数字が不変です.
mmHgを整数で表現していた状況ならhPaでも整数で表現できて,小数点は不要です.
これに関連しますが,Paco2 の正常値40mmHgはキロパスカルでは5.3 という小数を引きずって憶えにくかったでしょう?
ヘクトパスカルなら53ですから,まあ憶えられますよね.
あるいは,“Paco2 は50hPaが正常値”ということになるかもしれません.
数の歴史をみても,自然数や整数が何万年もの歴史をもつのに対して,小数の歴史はずっと短いものです.学習も,前者は幼稚園か小学校1年生で習いますが,後者はいつですか? 4年生位でしょうか?
換算が比較的容易です.
3/4倍または4/3倍すればいい.いずれも暗算が可能ですね.

例: 30mmHg → 40hPa
   120hPa → 80mmHg
キロパスカルには往生していましたが,これで楽になりますね.

実際上はどうかわかりませんが,一つだけ欠点が考えられます.手書きではhとkは見誤りやすいことです.



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諏訪邦夫

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 ヘクトパスカル:hPa - 諏訪邦夫 [#8] 2001/02/11 22:20



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