電子版麻酔学教科書

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  アトロピンは必要か #4
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月03日 00時12分
アトロピンは必要か

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前投薬には通常アトロピン0.5mg程度を加える習慣になっている.
狙い:

気道の分泌を抑制する
迷走神経反射を遮断する
これは“たてまえ”である.
 初心者は気管内挿管に手こずることも多く,その場合にアトロピンの前投薬は有用である.

 気管内挿管・麻酔の維持が上手になれば,気道分泌の抑制を目的としたアトロピンは不要である.

 迷走神経反射の抑制にはアトロピンはもっと大量に投与しないと意味がないとの意見が有力である.

 なおスコポラミンは頻脈を避けたい場合にモルフィンと組み合せる以外は,使用を避ける.

前時代の名残か?
 アトロピンを加えるのは,気道分泌に悩まされたエ−テル麻酔時代の名残りの要素が小さくない.現代麻酔ではルーチンに使用すべきではない,との主張も有力である.


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諏訪邦夫

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