糖尿病の評価と麻酔
-------------------------------------------------------------------------------- 糖尿病は例え重症であっても手術の禁忌とはならない.しかし, 厳重なコントロ−ルが必要. 神経系の障害を合併していることが稀でないので,脊麻・硬麻の選択には要注意.ただし絶対禁忌ではない. 基本方針としては 術前からの薬物投与をそのまま継続 最低量のブドウ糖を与えながら,血糖を30分〜1時間毎に測定し,それによってインシュリンを加える. Kイオン低下を招くことがあるから要注意. 麻酔の選択に関して 糖尿病患者は,硬膜外麻酔や脊椎麻酔を使いたい場合が少なくない. 手術もそうしたものをよく受ける.末梢血管手術や下肢切断などがその例である.ところが糖尿病患者は同時に神経症状の出ている事も多い.こういう場合に,脊椎麻酔や硬膜外麻酔を施行して良いかどうか,結論が出ていない. 全身麻酔の場合にどの薬物がとくによいか,という問題も解決していない.おそらく薬物の作用は少ない.
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諏訪邦夫
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