電子版麻酔学教科書

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  心疾患の麻酔:最近の進歩 #28
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月11日 00時04分
心疾患の麻酔:最近の進歩

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モニター
食道エコー

弁置換手術後の弁の動きがすぐに見える.だめならすぐにもう一度ポンプを回して手術をやり直す.
同じことを先天性心疾患の手術にも.
冠状動脈疾患に関しては,心筋の局所の動きの解析.
心臓や大血管の空気も鑑別できるので,体外循環回路に空気が入って塞栓を起す危険も防止できる.

EKGのコンピュータ解析

STの微妙な変化を検出する.

薬物
Esmolol(エスモロル):short acting, selective β1ブロッカー,半減期は9分,赤血球のエステレースで分解される.
Labetalol(ラベタロル):βブロッカーでα刺激作用,作用が長いので周術期での使用は?
Amrinone (アムリノン):Phosphodiesterase III の抑制薬.cyclic AMP を増量する.したがって,心筋の変力性増加.血管拡張.この作用はβ受容体を経由しないので,β刺激薬と組み合わせて有効.

論争
下のテーマは有効と考える理由も大きいが,それほどでもないとの主張も強い.
脳波が有用か.

体外循環時の脳血流や脳の酸素化の度合いは「何とかモニターしたい」という意見は一致している.
EEGがその解決になるか否かは不明である.
CPB時にバルビチュレートを使用して脳保護を行うか
使用すれば,たしかに合併症の抑制にはなるようだが
脳塞栓などでの検出が困難になるという反対もある.
イソフルレンを冠状動脈疾患患者に使用するか
Steal による局所障害の可能性
心臓手術にスワン・ガンスカテ−テルを使用するか
ルーチンの心臓手術患者ではスワン・ガンスカテ−テルを使用してもとくにメリットはない,という意見.

Moore RA. Cardiovascular anesthsilogoy. Making inroads and new roads. ASA newsletter 54(4):11-14. 1992


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諏訪邦夫

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