アドレナリンとカルシウム
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アドレナリンとカルシウムの使用目的
いずれも,よわい拍動を強くする. 全く停止している心拍を再開させる. 細動に対しても使用することがある.細動が強い方が除細動が効きやすいことが判明している. アドレナリンとカルシウムの使用法
心蘇生に対してアドレナリンや塩化カルシウムCaCl2を使用する場合,両者とも静注で投与する. 末梢静脈よりは,なるべく中心静脈に注入することが望ましい. 心蘇生時には末梢から中枢へ向かう静脈の血流は必ずしも良好でない.したがって,末梢に投与した薬剤は効果を発揮しにくいからである. 静脈路に使用して効果がなければ,心室内に直接注入する.左第5肋間から心尖部に向かって刺入すれば,右室又は左室に到達する.勿論左室が望ましい. アドレナリンは,原液でなく5〜10倍程度に希釈しておいた方が確実に投与できる.CaCl2は原液でよい. 蘇生の折りのカルシウムイオンは,塩化カルシウムの形で使用する.他の有機塩(例えばグルコン酸カルシウムなどは解離が遅かったり,代謝が必要だったりするので,この目的には好ましくない.
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諏訪邦夫
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