心停止後の脳保護
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その他の不完全な虚血への脳保護:人工心肺,脳外科手術の二つ
心停止後の脳保護 バルビツレートの効果は現在は否定的 バルビツレートの効果は,脳代謝抑制であるが,心停止ではすでに脳は機能していないので保護する価値がない.
その他の不完全な虚血への脳保護: 人工心肺,脳外科手術 不完全虚血に対しては,バルビツレートに少しは価値があるかもしれない.
脳外傷に対して 脳圧は確かに低下はするが,その度合いは脳圧に対しては,バルビツレートよりはマニトールなどの方が有効度が高い. バルビツレートを使用して,外傷の成績があがるという証拠がない.
アイソフルレン 2MAC使用すると,代謝の作用はバルビツレートと同様に有効 吸入麻酔薬の中では,作用はずばぬけている. バルビツレートとの差は,脳血管を開いて血流を増す.いわゆるスティールの懸念.これはバルビツレートでは見られないが,アイソフルレンでは実験的に“起こりそうだ”ということが証明されている. 著者の実験では,神経的に差が見られなかった.
カルシウム拮抗薬 くも膜下出血後の血管攣縮に有効 これで,“血流”は改善されるが,神経学的な症状の改善は明解でない.
Excitatory amino Acid グルタミンなど:こういう物質が血管収縮を起こすという. こういう物質に対して,特異的な拮抗薬が工夫されている.しかし,有効性は?
2−1−アミノーステロイド:Free radical scavenger 通常のSCはBBBを通りにくいが,この物質は通りやすい.
糖の存在による障害 糖があるとエネルギーは得られるのはいいが,乳酸ができるとナトリウムチャンネルが開いてカルシウムの障害が起こる. 何故,乳酸が悪いのだろう.
ヘパリンと血液希釈 特定の条件下で有効なことは間違いがないが,
クリティカル 脳血流停止は8分ならokだが,9分はだめ 血流量は15%あたりにラインがある. JD Mitchenfelder:New development in cerebral protection. 1989 Ann Refr C 224p
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諏訪邦夫
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