電子版麻酔学教科書

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  熱傷・火傷の管理 #11
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月11日 16時27分
熱傷・火傷の管理

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熱傷の管理は最近では専門家の仕事になってきているが,少なくとも二つの点で麻酔医は承知している必要がある.

専門家にわたすまでの,一次救急の問題として
熱傷管理に際して麻酔を担当することは頻度が高い
問題点

水分体液喪失,電解質喪失,アルブミン喪失
喪失量は面積・深さ・時間などに依存する.
気道と肺の問題
上気道の熱傷:粘膜浮腫
併在する一酸化炭素中毒
併在する肺の化学傷:煙がとけて酸となることが多い.
敗血症
鎮痛と鎮静が大切:ところがファーマコキネティクスとファーマコダイナミックスが異なっていて不明の要素も多い.
熱傷に対するストレス反応
各種血管作動物質
感染防御能の低下
麻酔薬とくに筋弛緩薬(とりわけサクシニルコリン)への作用
サクシニルコリンの副作用
管理

水分体液喪失,電解質喪失,アルブミン喪失などを補うには,熱傷の面積・深さ・時間などをある程度評価する.
心拍出量と腎血流を維持する.
浮腫は防ぐ.
補液のプロトコールがいろいろあるので,それを使用する.もっとも,それも混乱が残っている.

気道熱傷の評価にファイバー気管支鏡が必要な場合も多い.
喉頭熱傷も存在する.
一酸化炭素ヘモグロビンは測定する.
とりあえず,一酸化炭素が多いものとして,FIo2 を1.0に近く維持する.酸素の供給にも一酸化炭素の排出にも有効である.
なお,一酸化炭素の高い患者ではシアンの濃度も高値になることが多いという報告も有力である.
肺と換気とガス交換をきびしくチェックする.
麻薬は使用して安全なようである.ケタミンの使用も考慮する.
制酸薬と同時にシメチジンなど:4mg/kg 6時間毎


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諏訪邦夫

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 熱傷・火傷の管理 - 諏訪邦夫 [#11] 2001/02/11 16:27



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