ショック
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概念: 低血圧を伴う末梢循環不全 分類: 心原性: 心臓のポンプ作用自体に原因のあるもの 麻酔薬は,心臓のポンプ作用を抑制する. 通常の健康人では無視できる.病的心臓で余裕がなければ,麻酔薬の抑制からショックになることもある. 出血性: 出血によって循環血液量が低下し,静脈還流が悪化して心拍出量が低下するもの 敗血症性: 敗血症によって全身の血管の反応性が失われ,末梢循環の悪化することによる.この時に生成された物質が心臓を強く抑制するという考えや,組織代謝を障害するという考えもある. 神経原性: 自律神経系の反応によって,心拍が減少し心臓のポンプ作用が抑制され,さらに末梢血管が拡張して静脈還流が悪化して心拍出量が低下するもの 通常考えられるよりは稀な現象であるが,否定はできない 脊椎麻酔によるショックにこの要素があることは確実である. 診断: 原疾患・現症の経過 循環動態のパラメ−タ− CVP,肺動脈圧,心拍出量,エコーによる心臓の動き 血液の性状と代謝 治療: 脊椎麻酔に伴うものはメカニズムが明瞭なので別記 循環血液量保持:輸血,輸液 循環動態保持:血圧のコントロール, 心機能保持:心室刺激薬 代謝と栄養:糖分の利用(グルコース+インシュリン),アシド−シス補正 ステロイドの効果は未確立 腎機能保持:輸液と薬物
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諏訪邦夫
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