麻酔中の覚醒
-------------------------------------------------------------------------------- 麻酔中の覚醒は現代の麻酔ではなかなか重大な合併症である.呼吸と循環,筋弛緩薬の作用などはかなりしっかりしたモニタ−を使用しているが,中枢神経系が麻酔されて意識を失っているかどうかは決定的なモニタ−がない.脳波の解析などが不可能ではないが,現時点では臨床研究のツールであって,ルーチンモニタ−ではない. したがって,麻薬と筋弛緩薬併用の麻酔,あるいは硬膜外麻酔+全身麻酔併用の麻酔などでは,患者が覚醒している頻度はけっして低くないと考えられる.
研究方法:
脳波の解析(周波数解析や誘発脳波) 麻酔中に各種刺激を与えて,術後にそれが残る度合いを測定する.主に聴覚刺激を使用する.聴覚は失われにくいのと,実際的な適用がやさしい. 合併症としての問題: 精神心理的なトラウマとなって,患者を障害するともいう. それと関係するが,患者が担当医師を訴えて賠償を請求された例も外国にはある. 利用:別項 --------------------------------------------------------------------------------
諏訪邦夫
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