何故機器によるモニターが必要か
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監視パラメーターと制御パラメーター 重症患者のモニタ−の使用の目的には二つある.監視と制御である. 系の出力をみることによって,系の“健常性:Integrity”を監視する. 系を“制御する”ための“制御系への入力パラメーター”を得る. モニターとしては双方とも必要で,監視だけして,パラメーターに著しい変動がおこっても絶対に行動を起こさない,ということはない.
機器によるモニターが必要な理由 手術室での“モニター”に機器が必要な理由を一応,下の三つにしておこう. パラメーターによっては患者をいくら観察してもわからない モニター機器の教育効果 患者をみる能力の較正
機器と人間との相互関係 − 重症患者のケアは何故モニタ−や検査に頼るか −人は判断は得意だが感知は不得意
機器の開発
・医療の対象がかわった. “老人が増える”,“全身状態の悪い人も手術する”,“合併症の多い人でも手術をする”,“長時間の手術をする”,“ケアが複雑”など
“人”は高価
患者が高価:完全無欠の医療の要求 医療担当者が高価:トレーニングが高価 大量生産の必要
機器によるモニターがC/P(経済効率:cost-performance)がいい
どのパラメーターをモニターするか
何が必要か
要求される機器の機能とパラメーターの性格 理想的なモニターの条件 − 生理的意義の確立したパラメーターが重要 1.無侵襲 2.連続的 3.実時間
費用の問題
表1 重症患者のケアに必要なモニター
健常性のモニター 呼吸: 換気量,換気の維持,血液ガス 酸素の運搬と酸素の利用
循環: 心臓: 下の三つのパラメーターは別個に必要
電気現象 拍出量 弁や心室壁の動き
全身の循環と主要臓器の循環と血流,特に脳と腎臓
脳: 脳血流,脳の酸素化のパラメーター,脳の機能
腎臓: 腎血流,腎機能のパラメーター,薬物排泄のパラメーター
代謝: 主要栄養素と代謝系の働き
薬物代謝 すべてを包括する“全身状態の健常性”を一つないし少数のモニターでとらえられないか?
薬物の血中濃度や組織中濃度 この項目を詳しく勉強するには,下の二つの文章がファイルとしてついています.
モニターの必要な三つの理由 何故機器によるモニターが必要か
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諏訪邦夫
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