パルスオキシメーターの価値
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手術中や術後の血液の酸素レベルは大変速く変化し予測も困難 パルスオキシメーターは手術中や術後の重症患者のチェックに適している.
無侵襲・連続・リアルタイム 動脈血酸素飽和度Sao2 という明快な生理的パラメーター スイッチオンで動く.較正不要・ウォームアップ不要 安価 筆者の様につねに麻酔を教えたり監督したりする立場のものにはもう一つ別の有用性がある.それはパルスオキシメーターが“オンライン”,“リアルタイム”で酸素のレベルを示してくれることによる教育的効果である.本例の様な高齢肥満患者の場合に「麻酔によってたしかに酸素が下がること」,「手術が華境に入って横隔膜の動きが阻害されるようになるととくに酸素が下がること」,「吸入気酸素濃度を上げればたしかにPao2 が上昇すること」,「PEEPによる効果の有無」等等が実際に目に見えることによる教育効果は測りしれない.こうした教育をうければたとえパルスオキシメーターのない環境で麻酔を行なっても,危険な処置をして平気でいるようなことはかなり防げるのである.
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諏訪邦夫
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