左右肺分離換気と気管支鏡の普及
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左右肺分離換気と気管支鏡の普及 左右肺の分離換気のための気管支チューブとして“カーレンス”を使用することはもうない.新しい型の気管内チュ−ブが開発され普及したからである.
新しい型の気管支チューブ
材質は旧来のネオプレンゴムのものもある(ロバート=ショウチューブ). 新しい透明なプラスティックやシリコンゴムのものもできていて,内腔がひろい. 気管内吸引が容易である. チューブ自体の形状もよく工夫されていて,気管支挿管の成功率が高い. 気管支鏡の普及
気管支挿管による左右肺の分離換気をささえるもう一つの要因は,気管支鏡の普及を上げることができる. 従来のカーレンスの挿入にあたっては,聴診器での聴診が唯一の確認手段であったが,肺の一部の換気不良を見落す危険を伴っていた. 気管支鏡の使用で,気管内チュ−ブを正確に希望の位置に固定することができるようになった. パルスオキシメーターの使用法が確立したこともあり,分離換気の適応がかなりひろがって手術の際の良好な換気と術野の確保に役立っている.
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諏訪邦夫
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