電子版麻酔学教科書

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  小児点滴セットと微量注入器での薬の投与量計算 #49
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 21時52分
小児点滴セットと微量注入器での薬の投与量計算

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カテコールアミンのように作用が強烈で持続の短いものを,微量注入する場合,量の簡単な決め方を述べる.

ルール

希釈液の作り方
 小児点滴セットで200mlの液体を使用する際は,体重(kg)の12倍のmg数の薬物を加える.
 微量注入器で50mlの液体を使用する際は,体重(kg)の3倍のmg数の薬物を加える.
 12/200と3/50は等しいから,両者とも濃度は等しい.

投与の仕方
 滴下(小児点滴セット)の場合は,「1滴/分が1μg/kg/分」になる.注入(注入器)の場合は,「1ml/時が1μg/kg/分」になる.

理由
 小児点滴セットは60滴で1mlに調整されている.したがって,“1滴/分”は“1ml/時”に等しい.
12×体重(mg)/200ml =12×5×体重(μg)/ml
=60×体重(μg)/ml
したがって,この液の1滴/1分は体重×μg/分の投与量になる.


実例
 例えば,体重×5μg/分で与えたければ,濃度は同じで,5滴/分か5ml/時で与える.

蛇足:ポンプを使うことの多くなった現代では,もうこういう計算の必要性もしだいに少なくなるだろう.


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諏訪邦夫

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