信教上の輸血拒否の問題への対応:東京都の病院の倫理委員会のガイドライン
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信教上の輸血拒否:東京都のガイドライン
1994年4月新聞報道 1994年5月メディカル朝日に詳細報道(1994−5:73-84) 上記の委員会の構成は,医師の他に法律家・倫理学者・宗教家も加わっているとか. 以下にその抜粋
いろいろな場合に分けて,対応を決めているのが特徴.
成人(18歳以上) 意識がしっかりしていれば,本人の希望通り
[意識障害がある場合] 輸血拒否の書類などを持っている場合 ア 家族が輸血を拒否する場合 患者の意志を尊重する. イ 家族が輸血を希望する場合 患者の意志の強さを家族に確認させた上で,患者の意志を尊重する. 現実に輸血を行なう場合には,家族に文書を提出させる.(様式掲載)
輸血拒否の書類を作成しているが,持っていない場合 ア 家族が輸血を拒否する場合 家族に充分に確認した上で,患者の意志を尊重する. 患者の書類は後日提出させる. イ 家族が輸血を希望する場合 1-イに同じ
輸血拒否の書類を作成していない場合及び作成していることが確認できない場合 輸血する.
子供の場合(18歳未満) 子供では自主的判断力,信仰の深さに個人差があると考えられる.
乳幼児の場合 基本的には医師が決める. 小学生・中学生の場合 これは条件が非常に異なるので,場合をいろいろにわけて,条件もつけている.
高校生の場合 基本的に成人に準ずる. メディカル朝日の記事には文書の様式が6つほどつき,いろいろな面から検討した長文(12ページ)の記事である.当然のことながら,ガイドラインそのものはもっと長いらしい.
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諏訪邦夫
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