電子版麻酔学教科書

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  サクシニルコリンは何故大量に使うか #37
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 17時59分
サクシニルコリンは何故大量に使うか

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  分子量 初回投与量
サクシニルコリン 397 1mg/kg
パンクロニウム 732 0.06mg/kg
ヴェクロニウム 638 0.1mg/kg
d-トボクラリン 771 0.4mg/kg
アルクロニウム
(ディアルフェリン) 737 0.2mg/kg


 これでみると,サクシニルコリンだけがずば抜けて投与量が多い.特に,分子量が小さいことを考慮すると,モル数でいってヴェクロニウムやパンクロニウムの20倍である.

この理由は三つ考えられる.


サクシニルコリンはNMJに到達しにくい?
たとえば,クラーレは血中からNMJへの移行がよくないことが知られている.
しかし,サクシニルコリンの拡散が特にむずかしいと考える理由は乏しい.
サクシニルコリンは血漿で壊されるので,NMJに移行する部分が少なくなる.
NMJへの親和性が低い.
1)は根拠が薄弱だが,2)と3)は正しいと考える根拠がある.

 以上の想定は一部は判明しているが,わかっていない部分も多い.メカニズムが判明しないまま,サクシニルコリンの寿命が終わりそうである.



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諏訪邦夫

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