電子版麻酔学教科書

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  ネオスティグミン #28
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 16時25分
ネオスティグミン

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概念:
コリンエステラ−ゼ阻害薬であり,神経筋接合部におけるアセチルコリンの分解を阻害して,非脱分極性筋弛緩薬に拮抗する.
但し,作用メカニズムには諸説あり.それ自体もエステルでコリンエステラ−ゼで分解され,半減期は30分.
筋弛緩薬の作用の極期(強く作用している時期)には無効.切れかかっている時期に投与すると,あざやかに切れる(「リバ−ス」参照).
薬理作用はアセチルコリンとにている(抗ムスカリン作用)ので徐脈が起る.
これに拮抗するために,アトロピンを加える.

投与量

投与量は
常用量 0.05mg/kg(成人で2.5mg).
この際にアトロピンは0.02mg/kg(総量1mg).
最大0.07mg/kg(成人で3.5mg).
この際にアトロピンは0.03mg/kg(総量1.5mg).
ネオスティグミンはその薬理作用によって気管支痙攣を起すことがある.従って,喘息患者には原則として使用しない.筋弛緩薬の作用時間が延長している状況,たとえば腎機能障害では強引にリバースを試みてはならない.ネオスティグミンはコリンエステラーゼで分解されるから,筋弛緩薬の作用よりもネオスティグミンの作用が先に切れてしまう可能性も少なくないからである.


蛇足:
ネオスティグミンの適用外使用の問題については,リバースの項目参照.

蛇足2:
サリンについてはその項目参照


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諏訪邦夫

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 ▼関連ツリー 
 ネオスティグミン - 諏訪邦夫 [#28] 2001/02/10 16:25
 付:サリン - 諏訪邦夫 [#29] 2001/02/10 16:26



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