電子版麻酔学教科書

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  筋弛緩薬と腎障害 #26
投稿者  諏訪邦夫
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投稿日時  2001年02月10日 16時23分
筋弛緩薬と腎障害

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腎機能障害患者で麻酔終了後に筋弛緩薬の作用が残らないためには,作用が腎機能に依存しない薬物ないし麻酔法を選択する.
たとえば硬膜外麻酔を使用するのも一方である.

筋弛緩薬の腎への依存度は下の表の通り.


ガラミン 100%
ジメチルトボクラーリン 90%
パンクロニウム 70%
d−トボクラーリン 50%
ヴェクロニウム 15%
サクシニルコリン 0%


注:
ガラミンだけは100%腎からの排泄に依存するという.ジメチルトボクラーリンからヴェクロニウムまでの薬はすべて肝で代謝される.サクシニルコリンは血中で分解.
ベクロニウムは腎からの排泄に依存する部分は少ないが,肝臓で代謝された成分に筋弛緩作用があり,これがもっぱら腎からの排泄に依存するらしい.ベクロニウムを腎障害患者に使用すると遷延無呼吸がおこる.報告例が多数ある.これに対する一番合理的でわかりやすい説明である.ただし,これは“説明”であって,証明ではない.

キーワード:
ガラミン,ジメチルトボクラーリン,パンクロニウム,d−トボクラーリン,ヴェクロニウム,サクシニルコリン,筋弛緩薬の選択,腎機能


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諏訪邦夫

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 筋弛緩薬と腎障害 - 諏訪邦夫 [#26] 2001/02/10 16:23



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