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東麻酔研究所 質問集(詳細画面)


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タイトル:不妊手術の麻酔について
ご質問 :不妊治療を始めようと思っている31歳です。
7年前に外妊の開腹手術をしたので、腹腔鏡の手術をした方がいいと言われました。
外妊の手術の時に、脊髄麻酔だったのですが臆病者の私は、ガタガタと震えだしてしまって、眠ってもらおう!!と言う声を最後に、意識を失いました。その後、主人に聞くと、全身麻酔だって。という答え。
腹腔鏡は全身麻酔だったような・・・。
脊髄麻酔がすごく痛かったので、とっても怖いです。
腹腔鏡の手術では、どのような麻酔が考えられますか?
それにはリスクがありますか?
お忙しい所申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いします。
返信文 :腹腔鏡の麻酔は、全身麻酔で行います。
傷そのものは、腹部に数センチのものが、2ー3カ所できる程度で、下半身麻酔でもできそうに思われます。
しかし、おなかにガス(炭酸ガス)をいれて、おなかをふくらませ、内臓とおなかの内壁の間にすすきまをつくります。
こうしないと内視鏡を入れても、よく見えないからです。
ですから、下半身麻酔では、患者さんは、とても苦しくて耐え切れないので、全身麻酔を行います。お腹の筋肉をゆるめる必要がありますので、筋弛緩剤というお薬も使います。呼吸も止まってしまいますので、人工呼吸が必要にないなります。この点も全身麻酔をせざるを得ない理由です。
リスクは、どんな医療行為にもあると考えてください。
腹腔鏡の場合、誤って、血管を傷つけ、そこに大量のガスが注入されると、血管がガスでつまり(塞栓症)、最悪の場合には、死亡することもあります。
また、血管そのものからの出血が止まらず、お腹をあけて止血しなくてはならない状況も生じます。
麻酔も、全身麻酔ですから、麻酔に関する危険もあります。
いまでは、技術も進み、手術中の監視体制もととのっていますので、あまりご心配なさらなくとも、いいのではないでしょうか。


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