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東麻酔研究所 質問集(詳細画面)


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タイトル:帝王切開の麻酔について。
ご質問 :はじめまして。私は帝王切開で出産したのですが、やはり手術中の痛みがすごい。
先生は、母子の安全の為、ある程度お母さんに痛みを我慢してもらう、と以前回答されていましたが、出産体験記など読むと、ほとんど「帝王切開は痛みを伴わないからあっという間に終わって楽。」などと書かれていて、何故?と思ってしまいました。私は、赤ちゃんが危ないと言われて緊急帝王切開になったので、赤ちゃんを救う為、仕方ありませんが、もし計画的に手術した場合、多くの方々の様に、楽に手術出来るのでしょうか。すみませんが教えて下さい。お願いします。
返信文 :脊椎麻酔と硬膜外麻酔を併用するとある程度の痛みを押さえることができそうです。
また手術開始より分娩時まで痛くても、分娩後(赤ちゃんがおなからでてから)子宮やおなかを縫合するときに鎮静薬(眠り薬)や鎮痛薬(痛み止め)を点滴から入れると、痛かったいままでの記憶もある程度消えてしまうこともあります。
この時、同時に麻酔ガスも吸入してもらうこともありあます。
このような場合に「あっという間に終わって楽」という感想がでるのかもしれません。
計画的に「患者さんが楽だったと感じる麻酔」を行うことは上記のような方法なら可能かもしれません。
しかし、安全面に関しては、いろいろな考え方がありそうです。
安全面を考慮して、鎮静薬や鎮痛薬、あるいは吸入麻酔薬を使用せず、ある程度痛みを我慢してもらうこともあります。
鎮静薬や鎮痛薬で呼吸がとまったり、麻酔ガスで血圧がさがったり、子宮の収縮が妨げられて出血が増えたりするのです。
また意識がある時なら、本人が訴えることができる異常も、眠ってしまわれると、わからなくなり、異常の発見が遅れることもあります。
「楽な麻酔」は時として危険をともなう麻酔の可能性もあるのです。

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