東麻酔研究所ホームページへ
くまもと麻酔科クリニックホームページへ

東麻酔研究所 質問集(詳細画面)


[戻る]
タイトル:虫垂炎の麻酔でつらかったことについて
ご質問 :28歳の女性です。先日、急性虫垂炎で手術したときのことです。今思えば、麻酔医はついていなかったと思います。はじめ脊椎麻酔されましたが、その痛いのなんのって!3〜4回ぶすぶす刺すのですが、刺される痛みの上、薬を注入するとき?の痛み(もっと痛い)で、へとへとになってしまいました。しかしなかなか麻酔は効かず、そのぶすぶす刺すのを2セットされてもだめだったため、全身麻酔になりました。手術前に「効き目によっては全身麻酔に」と説明はあったのですが、なんとなく割り切れない思いがします。麻酔をした医者が、下手くそだったんじゃないか、って!それとも、麻酔にかかりにくい体質、ってあるんでしょうか。(低血圧の人はかかりにくい、と聞いたことがあります)目が覚めるとき、意識があっても体が動かせない「金縛り」状態になって、すごく怖かったことや、喉にチューブが入っていてとても痛い思いをしたこともあり、「脊椎麻酔がうまくいってたらこんな思いはしないで済んだのに」と思ってしまいます。本当のところ、どうなんでしょうか。
返信文 :残念ながら、脊椎麻酔に関しては、いろいろと問題があります。一番の問題は、麻酔専門医が行わないことがあるということではないでしょうか?麻酔科医が不足していることや、制度上の問題がありそうです。このホームページの脊椎麻酔の項目にも、この問題をとりあげた一文がありますのでご参照ください。脊椎麻酔は、テクニックを要する麻酔で、また虫垂炎の手術を苦痛なく脊椎麻酔で行うのは、かなり難しいものです。麻酔専門医が行っても、やはり難しいことがあります。脊椎麻酔がかかりにくい体質は、背骨が曲がったお年寄りではあるかも知れませんが、「あさ」さんのような若い方では、ないと考えてよいでしょう。しかし麻酔の広がりには、個人差があり、注入する麻酔薬の量にも微妙な加減あり100%キチンと安全に効果的に麻酔を行うのは大変です。麻酔専門医が麻酔を行う環境がととのっていない病院では、やむをえず外科の先生が麻酔を行わねばならす、このような場合「あさ」さんのような体験をされる頻度は高くなります。麻酔科医がもっと増え、どんな病院でも麻酔科医による安全な麻酔がうけられるような環境が整って欲しいものです。

Copyright (C) 2001-2018 Kanemitsu-Higashi All Rights Reserved.