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東麻酔研究所 質問集(詳細画面)


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タイトル:全身麻酔へのフェンタニールの併用はなぜ?
ご質問 :整形外科の看護婦(3年目)をしています。このあいだ 腰椎の椎弓切除術を受けた患者さんのことなのですが・・・。全身麻酔下でのOP中、『痛がったので フェンタネストを側管から定期的に使いました。術後は呼吸管理お願いします。』との申し送りがありました。フェンタネストは30分間隔で50μg使っています。その日の鎖骨骨折のORIFの患者さんにも術中フェンタネストが使われ 同じような申し送りがありました。全身麻酔下でのOPで 『痛がる』ってことはあるのでしょうか?またこのようなことは よくある症例なのでしょうか?術後管理として気をつけなければならないことは何かあるでしょうか?主治医に確認してもなかなか納得のいく説明は得られませんでした。気になっています。お忙しいところ 申し訳ありません。よろしくお願い致します。
返信文 :全身麻酔中に「患者さんが痛がっている。」 という表現は麻酔科医は時々用いることがあります。全身麻酔中ですので、患者さんはもちろん意識はありません。ですから患者さんが直接痛みを訴えることはできません。 ではどうやって判断しているかと申しますと、血圧や脈拍数の変化です。痛み刺激(手術の刺激)に対して麻酔が十分でない場合、結果として血圧が上がったり、心拍数が増えたりするのです。この変化をみて麻酔科医が麻酔の効果が十分でないと判断し、吸入麻酔薬の濃度を上げたり、フェンタニールを追加したりするのです。この判断は麻酔科医の経験による勘によってなされています。 フェンタニールには、呼吸抑制作用があり術後の注意が必要です。

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