タイトル: | 三叉神経痛に対するガンマナイフ治療 |
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ご質問 : | 私の母は、聾唖者です。かれこれ、20年前から、三叉神経痛に悩まされています。今まで、一緒に病院に付いていっても、母の訴える、痛みの症状と、先生が質問されてくる痛みの症状がうまく、マッチされず、何だかんだといって、「はい、痛み止めの注射をしましょう」と、顔に注射するのです。目尻の横からだったり、鼻の横だったり、見ている方が痛くなるくらい・・・かわいそうでした。先日、いつものように、「頬・下唇が痛い・しびれる」というので、一緒に病院に行ったら、「神経を殺しているから、痛いはずがない!!」と・・・・。どういうことでしょうか?痛み止めの注射って?神経を殺すって?何?それ?説明を求めると、先生は、ひどく不愉快な顔をされて、「聾唖者だから、痛みの程度がわからん!そんなに痛いのなら、頭の手術をして、血管でも切ればいい!!」ますます、分からなくなりました。確かに、母は聾唖者です、痛みの程度を詳しく述べることはできません、でも顔の表情・身振り手振りから読みとることができないのでしょうか?なんか、悔しくて・・・。もう二度とその病院には、行きたくありません。今、内服のテグレトールを指示された半分の量で痛みをしのいでいます。このような経緯になったのは、私どもが悪いのでしょうか?教えてください。先生の、掲示板を見て、ガンマーナイフのことが載っていたのですが・・・三叉神経痛の治療法について、詳しく教えていただけないでしょうか? |
返信文 : | ガンマナイフについては、下記のアドレスに詳しく説明されています。http://www.skh.saiseikai.or.jp/gm_knife/gk_index.htm 手術することなく9割以上の成績だそうで画期的です。 これからの三叉神経痛治療の主流になるかもしれません。 いままでは、テグレトールを処方したり、顔面で三叉神経が出るところに局所麻酔をしたりしていました。 激しい痛みの場合、やむなく神経破壊薬(高濃度のアルコール)で神経を破壊したりすることもあります。 おそらく先生が「神経を殺している。」といわれたのはこのことでしょう。 ただこの注射も永久的なものでなく、数ヶ月から1年程度で再発することもあります。 外科的な手術をすることもあります。 脳神経外科の先生が、頭を開けて手術するのです。 三叉神経の痛みは、この神経と神経のそばを走る血管が触れあっておこると言われています。ですから、神経と血管の間にクッションを入れたり、引き離す処置をするのです。 かなり大変な手術で、手術のことを説明すると「薬でなんとか我慢します。」といわれる方も多いようです。 先にご紹介しましたガンマナイフの場合、大きな手術をすることなくある程度の効果が期待できそうです。 23万円程度の自己負担があるそうですが、痛みから解放されるのであれば、考慮してみられるのもよいかもしれません。 聾唖者の方でも、痛みの程度を知る方法はいくつかあります。 以下の方法は、麻酔科でよく使用する方法で、聾唖者の方でも問題ないと考えられます。 様々な顔の表情をもったイラスト集(痛みの度合いでニコニコ顔からひどいしかめっ面まで並んでいます。)から選んでもらう方法もその一つです。 またスライドレバーのようなものを動かしてもらい、全く痛みのない状態から、もうこれ以上の痛みはないという両極のどのあたりに痛みがあるのか示してもらう方法もあります。痛みがない状態を0、極度の痛みを100として数字で痛みを客観的に把握するのです(visual analogue scale:VASと呼ばれています。)。 とにかく一度ガンマナイフのある施設でご相談されてはいかがでしょうか? |
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